月詠み 日々 細胞分裂

- 泡沫の妄想を あなたへ -

ぺぇーぱぁーくえすと [ かみ no 紙芝居 ] Lv.7

転々と場所を変え 上空の敵から逃れた

その合間では 女神に力がもどるたびに

あの敵を倒すためにひつような

武器の創造を試した

しかし 躰を奪われ 万全ではない女神の力では

大そうな武器は生み出せなかった

結局 いま手元にあるモノは

散弾銃とその銃弾15発だけ

 

ー 上空からけたたましい咆哮がおりてくる ー

 

何もない 無機質な白い平野をさまようだけでは

当然 この身を隠すことは不可能だった

はじめ 敵は 執拗に追いかけ回してきたり

上空で待機したりを繰り返していたが

やがて 背後から一定の距離を保って追跡するようになった

そして もう この逃避行は終わりを迎えようとしていた

 

なぜなら 今や敵は俺の先回りをして

どの方向に動いても

その動きに合わせて間合いを徐々につめてくる

後は その時 のタイミングを見計らっているだけじゃないか

 

f:id:rasinnbann:20170611164514j:plain 

 

女神さんよ 聞こえるか?

もう 逃げきれねぇぜ

次にアンタの力が戻った瞬間に

勝負を仕掛ける

 

 

「…わかりました

 では 間もなくですね」

 

  

深く息をすいこみ

心の準備を 覚悟を

決めようと思うや否や

やっぱり そういう隙を逃してはくれない

狙い澄ませていた敵は

一気に襲い掛かってきたのだった

 

f:id:rasinnbann:20170611164449j:plain

 

身をひるがえして

急降下してきた敵の攻撃を避ける

銃の中にすべての弾は詰めてある

手から零れ落ちた銃を拾い直し

慌てて2発連射して撃ったが

すべて当たらなかった

そらそうだ

敵はすでに上空に逃れ 旋回している

それを追う俺の手は がたがた震えている

 

 

「もう少し魔物と距離を詰めてから 撃った方がよさそうですね」

 

f:id:rasinnbann:20170611164504j:plain

 

うるせぇな!わかってるって!

ちょっと焦っただけだ!

 

 

「あぁ…たった今 わたしにモノを生み出す力がもどったようです」

 

 

よし わかった

次は外さないからよ

 

 

敵に照準を合わそうにも 簡単にはいかない

ひねりを加えながら 突風の如き塊が迫ってくる

一気に 間合いを詰められ

ぎりぎりのところで敵の攻撃をかわす

一撃でもくらえば ひとたまりもないだろう

でも 敵との距離が接近している この危機はチャンスだ

横っ跳びで攻撃をかわして

そのあとすぐに 発砲する

何発撃ったかなんて 数えていられない

ただ 敵の叫び声だけが

確かな手ごたえを知らせてくれた

 

 

おい アンタ

準備はいいか? 次 いくぞ

 

 

「ええ わかりました」

 

f:id:rasinnbann:20170611164459j:plain

 

みたび 上空へと逃れた敵のさらに上

そこから 俺の想像した大きな網が

女神の力と合わさり 具現化される

 

 

「うまく 創造できましたか?」

 

 

網の脇には重りがぶら下がっており

勢いよく 真っ白な平原へと落ちてくる

敵は抗いながらも 絡み合う網に翼を奪われ

真っ白な大地へ共に落ちた

 

f:id:rasinnbann:20170611164454j:plain

 

思っていたよりも網はちいさくて

重りもおおきくない

現状の女神の持てる力では

これが ぎりぎりのサイズだったというわけだ

大した拘束力はない

急いで 今のうちにと

敵の頭頂部と思われる場所に銃口をあてがう

 

f:id:rasinnbann:20170611164519j:plain

 

 

「どうしたのです」

 

 

いや…なんでもない

 


かわいた音 敵の断末魔

それが交錯したあと

俺の荒れた息だけが 周囲に取り残された

そろそろと その場を離れる

軽いめまいにおそわれた

 

f:id:rasinnbann:20170611164524j:plain

 

先ほどのことは 気のせいだろうか

引き金に指をかけている時

敵からなにかが伝わってきたような

 

 

「どうやら 私の思った通りだったようです

 あの敵は 私の躰の一部をもっていました」 

 

 

かすかに 体を伝うものがある

たしか これは雨というものだ

見上げた空から

つぎつぎと 零れ落ちてくる雫は

白い大地にへと 吸い込まれていく

 

f:id:rasinnbann:20170611164509j:plain

 

「まだ 万全ではありませんが

 こうして 少しづつ 元の世界へと戻していきましょう」

 

 

女神の声が すこしだけ嬉しそうだった

やがて 手にしていた銃も

敵をおおっていた網も

なにごともなかったかのようにして

ゆっくりと 消えてしまった

俺は なにも返さず

さらさらと降る雨の中を

あてもなく

また 歩み始めた

 

 

 ー ー ー ー 

Lv.8につづく…


…Lv.1にもどる?