読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

月詠み 日々 細胞分裂

- 泡沫の妄想を放ちます -

「一緒にお風呂に入らない」と言った日から

「さすがにまだ小さいから、まだ一緒にお風呂に入ってあげてるよね?」

仕事帰りにスーパーで買い物をしていると、そんな会話を耳にした。

傍に子どもを連れた母親同士が話をしている。

 

【Wild Cats】メンズ春秋用ジョガーパンツ ゆったり部屋着&リラックスモードお出かけ着-NavyXXL(エコバッグ付き)わたしの場合は、まだ思春期に入るずいぶん前だった。

お風呂に入ることがどこか面倒なことに思え、母の強制的な誘いがあるまでは、わたしから進んで入浴をしようとは考えていなかった。

「肩までつかって、しっかりと温まるまではあがってはいけません」

母は一緒にお風呂に入っているわたしに向かって、この言葉をなんども言った。

この言葉がかけられる頃には、もう十分に体は温まっていて、そこからさらに肩まで浸かりなさいと言われるのが少々つらかった。

少しの入浴でも体の芯から温まるのが子どもなのだと、もしもわたしに子どもが出来て母になり、一緒に入浴する時がくるのならば、そのことは決して忘れてはいけないなと思いながら浸かっていた。

わたしがお風呂場で一人静かに一日のことを振り返り、気持ちの整理がついてからあがるという習慣が始まったのは、母と一緒にお風呂に入らなくなったその日からずっと続いている。

 

「これからは一人でお風呂に入る」

わたしがそう母に伝えた日のことは忘れられない。

本当の原因が何なのか、それが今でもわからないけれど、わたしはその日の学校でいじめにあった。わたしにとっては突然なことだった。

心だけではなく、身体にも見てとれる傷があった。

母にそれをみられると心配をさせてしまうだろうという思いもあったが、色々と問い詰められるだろうということのほうが怖かった。

「○○もそういう時期に来たのね」

と母は言うと、少し複雑な顔をみせた。

 

お風呂に一人で入るというのはとても静かなものだった。

隣に母がいないと何も話すことがない。

わたしが動くことでしか浴室には音が響かない。

傷ついた部分を避けて身体を洗ったが、湯船に浸かった時に傷口から強い痛みがはしる。

また学校で起きたことを思い出してしまう。

母が浴室の隣にまで来た気配がした。

すると、また例の言葉をわたしに投げかけた。

なんとか返事を返したが、途中でそれは涙声に変わった。

心配した母が急いで浴室に入ってきた。

 

あの日、一緒にお風呂に入っても入らなくても、結局はわたしがいじめに合ったことは母に伝わったのだろう。

思えば入浴時間はわたしと母との大切な憩いの時間だった。

その始まりをわたしは覚えていない。

 

今日もこうして、湯船に浸かって過去の事や今日あった事、尽きることのない悩み事などを思い返したり考えたりしている。明確な答えなど簡単には出てこないが、少なくとも入浴する前よりは心も体も軽くなっている。

湯船から栓を引く。

先ほどまでそこにいたわたしの姿を思い浮かべる。

いくつかの悩み事がお湯に溶けて流れていってくれたかなと思い、眺めていたが、実はお風呂上りの一杯のほうが最近は楽しみなのではないかという気がしないでもない。

 

 

という、妄想話でした。 

 ー ー ー ー ー ー

 

 

…風呂上りに呑みたいとかいう気持ち、どこにいったんだろう…。

 明日から仕事…呑んでから寝てやる!

みたいな気持ちが沸いてこない…ほどにすでにブルーマンデー入ってます…。