月詠み 日々 細胞分裂

- 泡沫の妄想を あなたへ -

無職の俺に降って湧いた話 第六話

これまでの話。 第一話~五話まで ↓

無職の俺に降って湧いた『歩き回るだけでお小遣い稼ぎができるアルバイト』 第二話

無職の俺に降って湧いた『歩き回るだけでお小遣い稼ぎができるアルバイト』 第三話

無職の俺に降って湧いた『歩き回るだけでお小遣い稼ぎができるアルバイト』 第四話 

rasinban.hatenadiary.jp

 

これまでのあらすじ (1話~5話)

『無職の日々が淡々と過ぎて行く。ある日、友人に「(株)君がいて、ぼくがいる」という怪しい会社のアルバイトを紹介される。

バイトはフレーム部にWebカメラ・レンズ部にモニターを搭載した特殊な「メガネ」を装着し、モニターに表示された三択の中から好きな依頼を選ぶことが出来る。

依頼人に「メガネ」を通した映像を配信すると同時に、依頼人が望むことをクリアすることで報酬が得られる。これまでに依頼をこなしてきて、この仕事の怖さや汚さを知ると同時に、この仕事に魅せられていく自分を感じる。

より多くの報酬を得るためには、ミッション遂行レベルをあげることが不可欠だ。依頼者の満足度をあげてボーナスもいただきたい。そのためにはどうすればいいか…。

…一方で、このサービスに救いを求める一人の女学生がいた。
彼女が依頼に求めるものとは…。

 

 

それでは、つづきです ↓

 
 ー ー ー ー

「依頼」をはじめてお願いしたときは、ただの暇つぶしだったのかもしれない。
以前は、こんなわたしにも入学当初はともだちが沢山できていた。
授業もクラブ活動も放課後も、学校に居ることはすごく楽しかった。
でもある日、一部の男子生徒に人気があるからと、クラスメイトにいじめられたことをきっかけにして、今は誰も私と口をきいてくれない。

そんな毎日のなかで、ネットで一つのサイトをみつけた。
そこで彼に出会ったのだ。
「依頼」をした時から孤独だったはずの毎日が変わった。
彼の「メガネ」が伝えてくれた世界が、いまでもずっと忘れられない。

 

 

「依頼」は引き受けてもらえる人を選べない。
いえ。厳密にいうと選ぶことは出来るけど、追加で指名料金が必要となる。
依頼内容を打ち込む際、前回までに依頼した内容とその依頼を遂行した人物の一覧が表示される。
そこで、以前に依頼を遂行した人物にまたお願いしたいときは、「遂行人予約」という欄にチェックすることで、過去にお願いしたことのある遂行人の「メガネ」に依頼内容を表示させることが出来る仕組みになっている。

予約を使って依頼をすれば、「依頼内容 + 別途の指名料金」が課せられる。
使命料金は、二度目の指名から1.1倍。
三回目は1.2倍、四回目が1.3倍…と回数を重ねるごとに加算される倍率もあがっていく。

わたしが今まで貯めていたおこづかいは半年もたずに底をついてしまった。
毎月のおこづかいを当てにしていては、だいたいあと2カ月ほどは待たなければならなかったので、校則で禁止されているアルバイトを内緒でしてみた。
けれど一週間も経たずに、誰かから学校へ報告されてしまった。

部屋で独り、過去の依頼動画を眺める日々が長く続いた。
今の手元に残るおこづかいでは、依頼内容も設定時間も、たいしたことは頼めないだろう。
それでも、彼の見ている世界を一分でもいいからはやく共有したい。
そんな思いは募るばかりだった。

 

彼の目線は男の人というだけあって、わたしの目線よりも幾分高い位置から世界をみていた。
彼はいつも「依頼」の最後に寄り道をした。
「依頼」をクリアしたあともすぐに「メガネ」を外さなかった。
残った時間でいろいろな映像を「メガネ」を通してプレゼントしてくれた。

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何度目かに依頼した時、花屋で一輪の花を買ってくれた。
実際にその一輪の花は私の元には届かない。
わたしが頼んだ依頼内容ではないからだ。
彼は支給されているカードを使わずに会計を済ませた。
私へのプレゼントのように思えた。
彼のことを好きになっている自分に気付いた。
次もこれからも。ずっと彼を指名したい。そう思った。

夕日が沈んでいく瞬間、月が雲間から現れる瞬間、突然降った雨の中の音、せわしく飛び交う鳥の群れ…。 
わたしが一番最後に彼を指名した時、残り時間で沢山の魚を見せてくれた。
あとで調べてみると、そこは小さな水族館だったが、わたしにはいままで誰も覗いたことのなかった海の中を二人でいるように感じられた。

映像の最後の方で、水槽に彼の影が一瞬だけ映った。

「独りではない」

彼は、依頼を遂行することに必要ない状況では一切声を出さなかったけど、なんだかそう伝えてくれたような気がする。

 わたしは、また彼に「依頼」することが出来るのだろうか。

  

 

糸電話

糸電話

 

 ー ー ー ー

次回につづきます。 


 …新たな人物を登場させてみました…。

 急に降って湧いてきた。。。

 (ってここからどうすんだよ…

  今日は嫁の母が誕生日だったので、花屋に嫁と一緒に行きました。

 ↑に出てきた花の写真はその花屋さんでもらった花です。

 アンケートに答えたおまけにもらえた一輪の花。

 

 何度も聞いたのに、花の名前をやっぱり直ぐに忘れてしまい、さきほど嫁に「ごめん、なんて名前だった?」と聞くと『…ガーベラ』とキレ気味に教えてもらいました。

 

 …どうもすみません(´;ω;`)