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月詠み 日々 細胞分裂

- ネットの深海から 泡沫の言葉を放ちます -

こんな面接のある国

「どうにか今年中には仕事を決めてしまいたい。正月明けからでも働くことが決まれば、正月は親戚家族の前でも卑屈な思いをしなくて済む」

12月も中旬に差し掛かり、クリスマスムードが漂ってきていた。

現在40という年齢の私は半年以上仕事が決まらず、このまま世間が休みに入る正月まで身を潜めていたいという気持ちもあったが、偶然ネットでみつけた求人が興味を引くものだったために応募した。

仕事内容は専門用語で手短にまとめられているものだったが、世間一般にはない仕事のようだったので忘れてしまった。

無職の日々、インターネットに噛り付いている私の言葉で伝えるならば「検索エンジンの評価でネットの海に沈んでいるサイトが世の中には沢山ある。コピーしたり似通っているものなども含め、そういうサイトをこれから先は厳選して残すべきものと期限付きでリストから除外するものとに分けていくそうだ。その試験プログラムの分析をコンピュータだけではなく人の目でも確認、及びその評価をしていって、最終的には人間の感覚に近いプログラムに近づけるという目的を達成するための仕事」だ。

面接がすぐに決まり、二日後にその会社の面接が行われた。

 

 

持参した履歴書を、面接が行われる部屋まで案内してもらった若い女性に手渡した。

「はじめに一般常識テストを行います。そちらのテーブルに用意されていますので。30分ほど経ちましたら、次は面接に移りますのでよろしくお願いします」

手短に伝えられると、大きなテーブルが4つ合わせられた部屋に一人残された。

 

筆記テストには、一般常識部分もあったが、これまでに受けたことのないテストがあった。

ネットのホームページ画面の写真が何枚もあるものの中から内容がかぶっているサイトの番号をすべて書けというものや、一つのサイトでアップされている写真と似通った写真を使用しているサイトの番号を書けというような、類似しているものや間違いを探させるテストがいくつもあった。

それらは落ち着いてみれば誰でも出来そうな簡単なテストだった。

筆記テストをしている時間と並行して、履歴書や職務経歴書に目を通しているのだろうなぁとペンを動かしながら考えている時点で、それほど集中できていない部分も感じていた。

 

会社のビルに初めて入った時、人があまりいない様子だった。

心のなかで「せかせかしていない、ゆったりとした仕事時間の流れている会社だったらいいなぁ」と思ってしまう私に、案内してくれた女性が放った言葉に痛みを感じた。

「年末で忙しいので。最近は支社の手伝いで本社ビルに人が残っていないんです。そういう時期でなければ仕事場の雰囲気を目で見ていただけたと思うんですよ」

私の心の声が外に漏れているような気がした。

 

30分と伝えられたはずの筆記テストは30分しないうちに終わった。

面接官は人事部の女性だった。先程までの時点では受付の方だと思っていた案内してもらった若い女性だ。

今までに数社の会社を渡り歩いた跡が残る私の履歴書をみて、その面接官は最初にこう口を開いた。

「○○さん。失礼ですが、今まで会社を移る度に給与は下がっていきませんでしたか?」

まさに、その通りだ。

「○○さん。ここに関しては完全にやりきったと言いきれる仕事はこれまでにされましたか?ご自身をこれまでの職場で客観的な自己評価をしたならば、どのように映りますか?」

圧迫面接ではない。

この程度は。

しかし、なぜ心が痛い。

 

 

徐々に質問の答えに詰まるようになってくると、面接官が自分のことを語りだした。

「自分で言うのも何ですが、私もこの歳で職場をいくつも変わっているんですよ。でもですね、変わる度に私の場合は給料は上がっています」

この意味、わかります?という目で真っ直ぐに私の目を見ながら若い女性は話を進める。

「はじめはどの仕事も慣れるまでが大変ですよね。でも、慣れれば大丈夫。じゃぁ、慣れるまでの時間をとにかく縮めよう。そんな考えで仕事をこなしていたら、色々な会社から誘われるようになりました。今のこの会社に呼ばれたのもそういう経緯です」

そこからの会話の内容はあまり覚えていない。

 

 

最後に聞かれた。

「あのぉ、○○さん。仕事って、人生ってお金だと思いますか?」

私は正直に答えた。

「…お金です。やっぱり最低限の生活は送りたいです。40歳になって夢を語るのは私には難しくなってきているように思います。そのかわり、私の現実は語ることが出来ます…いや、語れません、アナタのような人の耳に入れない方がいい…」

ダメだな、もう帰りたい、そう思った。

「…私はお金だとは思っていないのですが…では現実的に毎月どれくらいの給料なら、その現実から少しは夢をみられそうですか?」

 

仕事につけるのならいい。

もう、半年も仕事をしていないんだ。

「…月、16万円くらいから…ですかね」

 

目の前の面接担当者が笑いを堪えているのがわかった。

それはそうだろう。

いい歳した男の月収がたったの16万円だ。

でも、その金額を望んでも私なんぞは雇ってくれないんだろ?

不思議なほど静かな気持ちで面接を終えた。

 

後日、面接の結果が伝えられた。

結果は合格。

雇用条件は契約社員で月収16万円。

返事は今年中とある。

 

 

なぁ、私はどうしたらいい?

 

 

 

 

 

 

…という作り話でした。

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…いえ、ほんのわずか?ですが実話の部分がありますです…。

 

 

今週を終えることが出来れば、正月休みが…。

それだけが希望…。

 

 

私の壊れかけパソコンの VAIO X がさらに弱っている。

この前は英語がさっぱりな私でもわかる↓

「大元のプログラムが見つかりませんけど?!!(# ゚Д゚) 」っていう文字しか出なくなった時があったし(再起動したり時間を置いてもダメだったので電池外したりしたら何故か戻った)、別窓を開くと画面が真っ暗になって勝手に再起動したりする。

 

パソコン買うお金、結婚した今の私には高嶺の花すぎる…。