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月詠み 日々 細胞分裂

- ネットの深海から 泡沫の言葉を放ちます -

ある日の寝室で聞いたサイレン

「こんな雨の中、火事か? ……火は消えないもんだね」

二人の呼吸音だけが微かに聞こえる寝室で、その沈黙の空間に投じた言葉だ。

 

一時間ほど前に突然耳にした消防車のサイレンの音を、今頃になって気になりだした。

妻が寝ているのか起きているのかに関係なく、思ったことをただ口にした。

 

返事がなかったので妻は寝てしまっていると思っていた。

一分くらい経ってから、急に妻が口を開いたので少しだけ驚いた。

「不思議なものね」と返ってきた。

 

それから、どちらからともなく、ぽつりぽつりと会話の行き来が始まった。

お互いに答えを求めているわけでもないので、向こうからきた言葉に対しての答えで必ず返すということもない。

 

「今日は、もしかすると一年の中で一番ハードな一日、きつい仕事だったかもしれない」

 

「思い返してみると、一年って短いものね」

 

「もう年末に近づいてきているから、色々と片づけたり掃除したり、慌ててするよりは少しずつしたい」

 

「去年の年末、あなたのお父さんにお土産買ったかしら?」

 

 目をつぶっていたり、目をあけていたり。

 二人の発する言葉が、六畳の部屋の中を自由に飛び交う。

 

 ふと、こんな会話が歳を重ねてもできたらいいなぁと思う。

 でも、それを口にするのは止めた。

 そろそろ寝ようかと思い、無言を貫くことにした。

 

「わたしがおばあちゃんになっても、天井を見上げながら寝る前におしゃべり出来たらいいな」

 

 

 その通りだと思ったが、うなずくだけで何も返さなかった。

 

 妻が「ぐすん」と鼻をすすったので、もうすぐ眠りに入るのだなと予想する。

 妻が鼻をすするのは就寝する前の癖だ。

 はじめは泣いているのかと思って心配した。

 いや、今も心配する。

 

だから、

 「うん、歳をとってもこうやっていけたらいい」と返した。

 

 隣からは、静かに寝息が聞こえてきた。

 私は、妻が寝たのを確認してから寝るのが好きだ。

 

だから、

「こうやって寝ているキミの姿を一目見てから眠りにつくのが好きなんだ」

 と伝えたいが、妻はその時には寝てしまっているのでいつも伝え損ねる。

 

 起きている時に言えればいいのだが、何故か起きている時にはそういうことを伝えようという考えが働かず、もち越しを繰り返している。

 

「おやすみ」

 寝ている妻に向かって、いつものように言葉をかけた。

 

 

 

…という、ほぼ妄想の話です。

 

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 先の方に正月休みがチラついてきた。

 何か計画を立てたいけど、本気で案を立ててはいない。

 他にこれといって楽しみたいというネタを今のところ思いつかない。

 けど、寝正月はしたくない。

 何となくだけど、背中を痛めていることもあり体のケアをしたいという願望はある。

 余裕のない心を少しは弛緩させたいという思いもある。

 

 それをどういう行動をして体現させるのかがポイントなんだろうなぁ…。

 

 …嫁が最近ジオラマを口にしだしたのは何かの影響か?

 …ガンプラは口にしないのに…。