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( >д<);'.・月詠み 日々 細胞分裂・∵.

- ネットの深海から 泡沫の言葉を放ちます -

「箱庭まいぺっと」

深夜の静まった家々の脇を、重い体を引きずるようにして歩いていた。そういえば最近、太陽の光を出勤時間以外では浴びていないことに気付く。仕事場ではパソコン画面とにらめっこし続け、休憩に食事も落ち着いてとれない。その上に残業を連日続けているとさ…

「一緒にお風呂に入らない」と言った日から

「さすがにまだ小さいから、まだ一緒にお風呂に入ってあげてるよね?」 仕事帰りにスーパーで買い物をしていると、そんな会話を耳にした。 傍に子どもを連れた母親同士が話をしている。 わたしの場合は、まだ思春期に入るずいぶん前だった。 お風呂に入るこ…

「peephole」~のぞき見されるモノとするモノ~

わたしは今、プライベートのない部屋で生活している。 「peephole(のぞき穴)」に身も心も預けてしまってからというもの、わたしは全て覗き見されてもおかしくない状況下にある。ここで生活するにあたって与えられた名はメアリー。ご主人様にいただいたニック…

深夜の雨が奏でる記憶

以前からも、もしかしたら聞こえてきていたのかもしれない。今までずっと意識しなかったそれが、今夜はなぜか気になっただけなのかもしれない。 天気予報はあたった。深夜からの雨に見送られ会社を出た。終電に乗っていると、意外と人が乗っているものだと時…

白い空間『告白』

お願いがあります。どうか聞いてください。私の話を。誰にも言えない秘密を抱えて、小さい頃から生きてきました。でも今日は、その秘密をあなたに打ち明けることで「楽」になりたいと思います。 私には、物心付いた頃から不思議に思っていることがありました…

幸せな国にあるパッカー車

ストレス物質が解明された昨今、この国の朝はとても穏やかだ。 『おやすみ前にカプセルを一錠飲むだけで、翌朝すっきりと目覚めることができます』 一日の生活で蓄積されたストレスは、翌朝の枕元へ転がる。睡眠中にストレスを含んだ呼気が集まり、一つの塊…

降り積もる夜に

見上げると雪雲が離れ、半分欠けた月と星がのぞいていた。 薄く積もった、真っ白な地面が月夜に照らされている。 懐中電灯の明かりを消してみても足元が見える。 田んぼと畑しかないこの集落には、舗装された道が一本あるだけだ。 あぜ道に入り、先程まで降…

虹の足元にあるもの

細かい、雨とも言えないようなものが空から降ると同時に日が差した。そんな午後。残業が連日続き、やっと訪れた会社休みの今日だった。気付けば昼まで寝ていた。重い体を起こして、スティックコーヒーをお湯でさっと溶かしたが口にせず、テーブルの上に置い…

主婦だって稼げる「わが家ベストテン」~もしも飲食店を開けたら~

いつの間にか、駅裏にあった空き店舗の改修工事が終わっていた。 外装は商店街にあるような大衆食堂の造りをしている。 それでいて見上げた看板には『わが家ベストテン』となにやら書かれており、歪な印象だ。 ここは以前、オシャレな老舗イタリア料理店だっ…

一肌脱ぎましょうか?~人肌恋しいあなたに捧ぐ~

交流アプリサイト『観るだけならタダ』に書き込んだとおり、予告した時刻に駅前で待つ。プロフィールに顔を載せているので、私を探している者はスグに気付くはずだ。駅前の電光掲示板で今日の気温を確認する。 「天気:晴れ 最低気温1℃」 今季一番の冷え込…

私の中の「ぎゅんぎゅん」

帰宅途中の電車の中で、急にお腹の調子がおかしくなる。私は周りも認める極度の心配性だ。心配事を抱え込み、それが膨らんでいくと急にお腹を壊すのだ。 下腹部から「ぎゅんぎゅん」が鳴きだす。「ぎゅんぎゅん」は私をトイレの個室へいざなう。「ぎゅんぎゅ…

日向ぼっこする生きもの

突如、消えてしまった太陽。 観測データを遡ってみても、太陽の活動周期に狂いが観測されたことはなかった。しかし、現に太陽は我々の目の前から忽然と消えた。原因不明である。 これまで太陽の終焉とは、徐々に赤く膨れ上がり巨大化していき、投げ捨てる様…

作文「ぼくのかぞく」(冷蔵庫のない家)

ぼくのいえには冷蔵庫がありません。 ぼくがもっと小さいころにはありましたが、今はありません。 ひっこしした時に、前の家においてきたそうです。 ぼくのいえは大家族です。 おとうさん、おかあさん、おにいちゃん、おねえちゃん、 まんなかのおにいちゃん…

規定打席に達さないホームラン王

「…どこで生き方を間違えたんだろう」 独房というせまく限られた部屋の中で、苦しみだけが自由にのたうち回ることができる。日々の積み重ねの中で、数えきれない選択を繰り返して今日まで生きてきたはずだ。それは決して「死刑執行を待つ人生」を願って「犯…

SayClub

最近、暇つぶしとしてハマっているサイトがある。 『SayClub』というサイト。 「音声チャット」で会員同士の会話ができる。 会員登録は身分証明のデータ添付有りきだから、すぐに入会できるわけではないけど。 操作は簡単で、ログインしたら2つのボタンがあ…

嫁はテレビを消すとき、リモコンを俺に向けてから電源ボタンを押す

「本当に消えたらどうすんの?」 「消えないわよ、バカじゃないの」 「…もしもだよ」 「もしも消えたら面白いね」 「面白くねぇょ」 「リモコンで出たり消えたりする男って、テレビに出られるんじゃない?」 「…儲けられるかなぁ」 「まぁ、世界に一人だから…

大泥棒の介護「とっちゃん、俺はここにいるぜ」

誰もが他人には決して言えない過去が一つくらいはあるだろう。 俺に関して言わせてもらうなら、実はこれまで「泥棒稼業」をなりわいとしてきた。 何度となく逮捕されそうになったが、その度に死線を乗り越えてきた。 思えば、幾度となく対峙した警部がいたか…

ドローン狩りが海原で見上げた空

今日も上空を飛ぶ「ドローンマシーン」に照準を合わせる。国境を超えて空を行き来する「ドローンマシーン」が話題になりだしたのは、私たちが「国際社会」から認知されたころだった。 10年前までは私たちに直径5キロの小島が与えられていた。その島は国と…

物々交換サイトにみる私のもち物の価値

最近、ふしぎなサイトをブログの紹介で知った。年末の大掃除対策につかえるサイトとしてそれは紹介されていた。 「交換 おんざうぇ~部」 という名前のサイトで、これは登録制の物々交換サイトである。 ・簡単に説明すると出品者は専用コンテナに交換に出し…

彼氏が離れていくわたしの趣味『ファイリング』

取扱説明書があれば、それについてはまぁとりあえず扱える。 そういう人は世の中に多くいると思う。 取扱説明書はパラパラとめくる程度でじっくりとは読まないが、そのかわりにとにかく触ってみて覚えていくスタイルの人も世の中に多くいると思う。 取扱説明…

瞬速5メートル。上積みされ、塞がれた世界で。

記録によると、世界中の監視カメラを分析してもその瞬間は捕えられていなかったらしい。 地球上の同一時間。 一瞬にして透明ブロックが、海と大地の表面をおおったという説がまかり通っている。 その瞬間の映像が一切残っていないだけでなく、その瞬間のこと…

すれ違いドキュメンタリー

勤続35年。 それだけの年月を同じ職場へ通っていると、その日々の通勤の積み重ねでちょっとしたドキュメンタリー番組が作れそうな気がする。 通勤電車内の日々を撮影するわけにはいかないが、同じ時間に同じ車両に乗ってきていた男の子が、時の流れによっ…

あの頃、ひたすら溜めていた「元気玉」のゆくえ

幼い頃、自分に備わっていると信じていた不思議な力がある。 それは、『ドラゴンボール』という漫画の主人公 孫悟空が使う必殺技の「元気玉」だ。 この技は、動物も植物も…生きとし生けるもの全てから元気のエネルギーを少しずつ分けてもらって、それを球体…

こんな面接のある国

「どうにか今年中には仕事を決めてしまいたい。正月明けからでも働くことが決まれば、正月は親戚家族の前でも卑屈な思いをしなくて済む」 12月も中旬に差し掛かり、クリスマスムードが漂ってきていた。 現在40という年齢の私は半年以上仕事が決まらず、…

ミニマリストの妻との生活

妻がわたしと結婚しようと思った理由を聞く機会が今日あった。 妻が友人と電話をしていた。 その会話を近くにいた時、偶然耳にした。 「アタシの価値観がそのまま変わらずに維持できると思ったからなんだよね」 その言葉を聞いた時、なんだか悲しい気持ちに…

「息子が残した夢の続き」

畑仕事をしていると、誰かが近寄ってくる気配を感じた。 振り返ってみると、1人の若者が立っていた。 「あの…○○さんの、お母さんですか?」 不安げな顔で、そう話しかけてきた。 はじめてみたはずの若者の姿に、なぜか息子を感じた。 生きていたのならば、…

押入れの天井裏から一冊のノートが出てきた

年末の忙しい時期に引っ越す予定を立てたのは半年も前だった。 転職して三年が経つが、以前の職場に合わせて借りたアパートからの通勤だった為、今の会社への行き来がずっと不便だと感じていた。 何か月も捜していた物件の条件としては、少々我が儘なものに…

私は嫁が作ったもので出来ている

物心付いた頃から、とにかく食べることが大好きだった。 人間には色々な欲があるというが、私の場合は「食欲」に割り当てられた欲求が尋常ではないと思う。 四六時中、寝ている時でさえも涎を垂らしながら食事の夢を見る。 でも美食家、食通といった言葉は私…

このお金は母がパートをしてスーパーの特売品を求めて走りまわった結果、うまれたお金だ

それを、渡された。 「同窓会の誘いがあったでしょ?今日じゃないの?」とテレビをみていた私に母が封筒を渡してきた。 中には現金二万円が入っていた。 母の狙いをどうとか考えたくはないが、私は現在世間で言うところの「引きこもり」と呼ばれる状況だ。 …

ジャンケングリコで「さようなら」

・「グー」で勝つと「グリコ」で3歩進む。 ・「チョキ」で勝つと「チヨコレイト」で6歩進む。 ・「パー」で勝つと「パイナツプル」で6歩進む。 私が幼少の頃にしていた「じゃんけん遊び」の一つだ。 雨の日、近所の友達と一緒に学校や近所の建物の階段を…

年末宝くじ『サンタのおとしもの』の当選発表番組が歴代大晦日視聴率NO.1を記録したのでまとめてみた

地球上を周回する一つの人工衛星がある。 民間と行政機関が共同で開発し打ち上げた衛星「サンタのヒゲ」だ。 この衛星は「サンタの落し物 宝くじ協議会」の企画によって生み出された。 サンタの落し物宝くじは今年の年末で第8回目をかぞえる。 落し物くじの…

羽毛布団→毛布→身体は間違いで、羽毛布団→身体→毛布が暖かいのよ。

「寝具はここまできた! 体に感じない軽さ、羽毛布団を超えたあたたかさ。 当社新開発、これまでにない新素材でアナタをあたためる!」 と謳(うた)ったものの、我が研究所発のヒット商品とはならなかった。 研究から生まれたものを評価してくれたのは小さ…

ある日の寝室で聞いたサイレン

「こんな雨の中、火事か? ……火は消えないもんだね」 二人の呼吸音だけが微かに聞こえる寝室で、その沈黙の空間に投じた言葉だ。 一時間ほど前に突然耳にした消防車のサイレンの音を、今頃になって気になりだした。 妻が寝ているのか起きているのかに関係な…

巨大な胡桃型マンションの傍らに生きる森の民

日が暮れてきた。 3年前まで住んでいた、そびえ立つ「完結型マンション」を見上げる。 天から降ってきた隕石が大地に突き刺さったような形状、それでいて上に向かって尖がっている。 昼間にみると巨大な胡桃(くるみ)のように見えなくもないが、夕暮れ時か…

約束の期日までに達成できなかったら別れる…って言ったよね?

当たり前だが、彼女は何も悪くない。 約束を守れなかった私が悪い。 仕事を急に辞めてしまったのが半年前。 何の計画性もなかった。 とにかく仕事場にいるのが辛くて仕方がないという状況から逃げ出したいという一心だった。 逃げて辿り着いた場所は、ネット…

もうやめなよ。プレゼントの値段を検索して調べるの。

「ナミ、もういい加減やめたら?」 今日、偽りの誕生日を向かえた友人のナミへ私が向けた言葉だ。 ナミと私はルームシェアをして3年の付き合いになる。 大学のサークルで出会い、卒業後は就職先が近かったため一緒に暮らすことになった。とはいっても、ナミ…

社畜の嫁は「眠り姫」

ここ一ヶ月、嫁と会話しただろうか。 私の仕事は常に長時間労働だ。 朝は5時には家を出て、帰宅するのは日付が変わるくらい。 そして、実はここ何か月間も休みがとれていない。 嫁には「早寝早起きをしてください」と伝えているが、嫁の起床時間より私の方…

風呂掃除をしながら妄想した結果

こんな風呂掃除の便利グッズがあったらなぁ…。 パジャマを着て、風呂掃除をしながらいつも思っていた。 風呂掃除は10人家族の中で一番最後にお風呂を使う私の仕事だ。 大人数だと思う。(少子化のこの時代、丁重に扱っていただきたい) 以前、「大家族の私…

『Village revitalization』 vol. 9「薄暮のリング 」

母親の安否がわからないままにひと月が経った。その間に「村おこしビルダーズ」では新たな施設が注目を浴びていた。

近未来の「弔い」 ワンルームサラリーマンの宴

足元のスイッチをいれると、故人が生前に望んだ「サイズ」と「年齢」で浮かび上がる。 ライトアップされ、もやもやと3D映像が浮かんでくる。 俺の今のオヤジの姿は15歳で30センチの大きさだ。 「…オヤジ、いつも思うんだけどさ、…いや、なんでもない」 (……

 『Village revitalization』 vol. 8「 働かざるモノと動かざるモノ」

もともとこの村の住人だったわたしは、この「民間参入型開発特区」に指定されたことを後悔し始めている。母がトラブルに巻き込まれ、行方が分からなくなってから一月が過ぎた。 村は異様な形で再び孤立し始めた。

 『Village revitalization』 vol. 7「母のつくったごはん 」

特殊な「メガネ」を装着し、依頼主の指示に従って行動することで報酬を得るという生活がこの村の日常だ。どっぷり浸かったその生活の不安を紛らわす為だろうか、車に乗って気分転換に村を出ようとする。すると突然、わたしの目の前でこの村から出るための唯…

「風呂場で発生した泡という泡のすべてがおっさんの頭になる」という妄想

風呂場で湯に浸かっていた。 体が温まってきたところで、少し体を起こしてマッサージをする。 再び深く沈み込む。 水面に向かって泡が「ぷくぷく」とのぼっていくのが見えた。 わたしの体にまとわりついていた泡のカプセルが立ち上っていく。 水の中から抜け…

『Village revitalization』 vol.6 「生まれ育った村から出られない」  

「村おこしビルダーズ」にどっぷりと浸かった生活を繰り返している間に、村の外へ久しぶりに出たくなった。気分転換…のはずだったが事件が起きた。

『Village revitalization』 vol.5 「ブログでビルダーズを紹介してみる」

WEBカメラとモニターレンズを搭載した「メガネ」で生活費を稼ぐようになって3カ月が経った。私のブログで、その生活のはじまりを記事にして公開してみようと思う。

 『Village revitalization』 vol.4 「HPとMPのあるメガネ」

毎朝、「メガネ」に表示される「HP」と「MP」でわたしのいったい何がわかるというのだろう。 依頼主の目に、わたしのステータスはどのように評価されているのか。深く考えないことが大切だ。

『Village revitalization』 vol.3 「村おこしビルダーズ」

田舎の村に突如現れた「(株)きみがいて、ぼくがいる」動画配信コミュニティサイトが新しく手掛ける事業は「村おこしビルダーズ」と名付けられた。依頼人の欲望を遂行人が満たして行く。「民間参入型開発特区」に指定されたこの村は、その流れの中で徐々に姿…

『Village revitalization』 vol.2 「ど田舎の村に変な会社がやってきた」

目標もなく、時間稼ぎをして生き長らえる人生がわたしに残された設計図だったはずだったのに。 ある日のTVニュースで珍しく自分の住む市が取り上げられているのを目にする。さらに詳しく掘り下げると、そのニュースの舞台はこの合併に合併を重ねて市に取り込…

『Village revitalization』 vol.1 「限界集落でネット三昧」

新卒で就職できず、都内で二年間をフリーターで過ごした。結局、都会に馴染めず、逃げ帰ったど田舎の地元は限界集落ときている。 地元に戻ってからは親のすねかじりをする毎日だ。

「先生 帰り道が わかりません…3」連休最終日 サザエさんを直視出来ない人が本物のサザエさん症候群

もしもこんな経験があったらブログ更新も捗るだろうシリーズ最終話 人生の局面をコイントスで決めて生きてきた一人の男の話…